小説を楽しんでプラス

主に私が作成した超短編小説(ショートショート)を記事にします。ほかにお気に入りの小説を紹介します。

私の書いた小説

長~い友が去る

「俺もそろそろ、ここから去ることにするわ」「えっ、先輩も去ってしまうんですか、みんな居なくなって寂しいです。もう少し頑張って下さいよ」「ここは居づらくなって、そろそろ限界なんだ。お前も無理してるんだろ。体が真っ白になってるぞ」「確かにきつ…

裸の王様は、なぜ裸でパレードしたのか

男から電話があったのは3日前だった。俺に聞きたいことがあるから、会いたいと言う。俺は暇な人間だから、いつでも良いと伝えたら、男は今日の午後を指定してきた。「へぇー、君はジャーナリストなんだ。かっこいいな」 男とは自宅近くのコーヒーショップで…

探偵とストーカー

ここは雑居ビルの4階にある探偵事務所。 若い女性が相談にやって来ていた。女性は20代前半、おとなしい印象だが、少しいらついている様子だ。「ストーカーの相談で警察に行ってみたけど、相手にされなかったので、ここの探偵事務所に来たということでしょう…

人工知能付き安眠枕

帰宅途中の電車内、中途半端な混み具合で、少し席を詰めてくれれば座れるのだが、前に座るカップルは、全く、その気は無さそうだ。明日のデートの予定で盛り上がっているようだ。 「明日はどこ行くの」 派手で大人びた化粧をしているが、まだ、それが板につ…

人間になれなかった妖怪

ここは妖怪の世界。僕はここで暮らす一つ目小僧という妖怪だ。頭が真ん丸で、髪の毛はない。そして大きな特徴は、目が額の真ん中に1つだけあることだ。 僕は学校で『人間の心得』を学んで、すごく感動した。もっと『人間の心得』を学び、卒業したら人間にな…

僕、失敗しないんで

「ニシ、もっと飲めよ、ほら~、ヒック~」 僕はグラスに残ったビールを飲み干して、新しいビールを注いでもらった。「有難うございます。キタさん、ちょっと飲みすぎですよ、大丈夫ですか」「大丈夫、大丈夫。すいませーん、ビール、もう一本」「まだ飲むん…

心の声が聞こえる

私には不思議な能力がある。それは他人の心の声が聞こえてくる事だ。すごい能力のように思われるだろうが、実はそんなに良いものではない。その理由は、私の意思で出し入れが出来ないからだ。 相手と話していると、急に心の声が聞こえてくる。そして急に聞こ…

バラ色の人生をあなたに

プロローグ私、山崎幸子、ごくごく平凡な28歳、OL独身、不自由なこと特に無し、それなりに幸せな毎日を過ごしていたのだが……。 周りの誰かが幸せになる、と聞くと急に自分が恵まれていないように思ってしまうことがある。 同僚が出世すると聞くと妬んだり、…

ロボット化計画

大学時代の友人との再会 新井孝夫は意識が朦朧としながら最終電車に揺られていた。つり革を両手で拝むように握りしめ、ぶら下がるようにして立っているのがやっとだ。目を閉じてうなだれているが落ち込んでいるわけではない。口元は笑っていた。 酒くさいガ…

成績トップになる「山中、こないだのテストの成績が学年トップじゃないか、凄いなぁ」 昼休み、僕の前に座る宮川が後ろに座る僕に体を向けて、そう言った。 「ありがとう」 僕は小さく首を折った。 僕、山中和也は、この間のテストで学年トップの成績をとっ…

幸福度を上げる神様 仕事の苦痛

「ここのラーメンほんと旨いな。このチャーシューなんかトロトロして最高だよな。口の中で溶けるぞ」 「僕もこんな美味しいラーメン食べたのは初めてです。このスープなんかコクがあるのに何故かあっさりしてて何杯でも食べれますよ。ほんと人間は贅沢ですよ…

手相からの物語 人差し指と中指間まで伸びる感情線を持つ

感情線の先が人差し指と中指に入りこむタイプは潔癖症で、正義感が強く曲がったことが大嫌い。不正が許せないし異性関係でも浮気や不倫は絶対許せません。 人の好き嫌いもはっきりしています。好きな相手には徹底的に尽くし仲良くしますが、嫌いになると口も…

幸福度を上げる神様 倦怠期

西地区神様VS東地区神様 西地区の神様は天空タワーのベンチに腰掛けて、眼前に広がる景色を眺めていた。 先日、夫婦仲が冷めて幸福度が下がっていた中年男を助けたことで、本部からお褒めの言葉を期待していたが、もらった言葉は厳しいものだった。 「幸福度…

バラ色の人生をあなたに

プロローグ 私は山崎幸子といいます。ごくごく平凡な28歳、OLで独身。不自由なこと特に無し、それなりに幸せな毎日を過ごしていますが……。しかし……、 周りの誰かが幸せになる、と聞くと急に自分が恵まれていないように思ってしまうことがある。 同僚が出世す…

手相からの物語 生命線が張り出した男の話

上の手相の絵は生命線の張り出しが大きくて、線自体も強いものです。運命線も比較的強い線です。この手相の持ち主がどんなタイプなのか。生命線の張り出して線が強い人は体力自慢でバイタリティがあります。 仕事も遊びもバリバリとこなし、酒も性欲も強いで…

スマホからのお説教

先月、俺は婚約をした。相手は美咲という名で、友人の紹介で知り合った。俺の一目惚れだった。知り合った次の日から俺は猛アプローチして、付き合うことができた。美咲と付き合えるようになって、俺は幸せだった。一生幸せにしようと思っていた。 しかし、婚…

宇宙人のこころざし

ここは、銀河系にある地球の1000分の1程の小さな星「イイナリ星」 王様「今年の地球派遣参加者は何名だ」 秘書「今年10名の予定でしたが……、実は……1名が不参加の返答なんです」 王様「不参加だとぉ、どういうことだ」 秘書「詳細はわかりませんが……」 王…

アリよりキリギリス

灼熱の太陽が照りつける真夏の草原では、さまざまな虫たちが生活をしている。 真っ黒なアリにとって、灼熱の太陽の熱はさぞかし暑いことだろう。 そんな暑さの中でも、一生懸命に食べ物を探し出して、巣まで運んでいる。1匹が食べ物を見つけると、仲間に連…

本気かな、真剣かな

「どうも~、カナケンでーす」 「俺の本名が真中健で、相方のこの女が、本木加奈です。2人の下の名前をくっつけただけのコンビ名ですが、覚えてやってください。 「加奈ちゃんを可愛いと言う男がおったら、俺はビックリして気絶するわ」 「失礼やね、あたし…

オレオレ詐欺に注意

リリリーン、リリリーン「はいはい、ちょっと待って下さいね。すぐに出ますね」 中本佳子は呼び出し音が鳴る電話機に向かって声を掛けた。少し足元がおぼつかないので電話に出るまで時間がかかる。 「ハアハアハア、もしもし、お待たせしました、中本です」 …

勘違いだったバレンタインチョコ

中本家は夕食を終え、裕一郎はこたつに入り写真を見ながら目尻を下げていた。妻の佳子は夕食の片付けを終わらせて、裕一郎の好きなブラックコーヒーを持って裕一郎の前に座った。「明日は陽菜の結婚式だな」 裕一郎はそういってコーヒーを口にした。 「そう…

幸福度を上げる神様

神様の会議とノルマ「日本人の幸福度が低すぎると世界から非難を浴びている。今のままでは、我々、日本の神様のメンツが丸潰れだ。各々の担当地区の幸福度のノルマ達成に全力をつくしてくれ、話しはそれだけだ」 日本の神様のトップからの話に集会場に集めら…