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人生も後半戦

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

小説を読もう「アドラー 一歩踏み出す勇気 中野明」の言葉表現

小説が好きで、表現をの仕方まとめただけの資料です。

「アドラー一歩踏み出す勇気」は広告代理店に勤める松田勇二がカラ爺というメンターからアドラー心理学をベースにした「7つのステップ」を実践していくことで成長していく物語です。
読んでいるあなたもきっと役に立つ内容で物語の中身も面白いです。
あなたにもきっと役に立つ一冊になります。

松田勇二は書類が8割方を占領しているデスクでメールをチェックしていた。ノート型のパソコンが肩身の狭い思いをしているように見える。

書類の山の上にある電話が鳴った。松田はパソコンの画面を見ながら受話器に手を伸ばす。

松田が人事部のドアを抜けると、柿本がパソコンの画面から目を上げた。
「あっ、松田くん。どうもどうも。んじゃ、あっちで」

「それはそうと、来てもらったのはこの件、こういう話なのよ」
柿本はクリアファイルから1枚の用紙を取り出して机に置くと松田の前にすべらせた。

柿本はこう言うと、テーブルに身を乗り出して、松田の肩を叩いた。

オリーブの木の前にしゃがんでいた男が振り返った。男はゆっくり立ち上がると膝を払いながら言った。
「カラ・コーチング・システムはここですよ」
白髪を後ろになでつけた男は、血色の良い顔をしている。相応の歳を重ねているようだが老人と呼ぶにはまだ早そうだ。

カラ爺は足を組み直すと、両手を出っぱったお腹の前で組んだ。
口笛でも吹かんばかりのリラックスしたスタイルである。対する松田は合点のいかない様子だ。

「でも、あの7つのステップと自己成長の関わりが全く理解出来ません」
松田は問い詰め口調である。

カラ爺は氷が半分溶けたアールグレイをストローで一口すすると、さらに話を続けた。

松田は腕組みして考えた。
この爺さん、能書きだけは語れるようだ。まあ、もっともそうでなければ、日本ばかりか世界に名を轟かせるうちの会社がこの爺さんを雇うはずがない。

「このように微笑んでいる表情をすると、いま楽しい事が起こっていると脳が勝手に判断するんです。そうすると脳の特定部分が活性化して本当に楽しい気分になってきます」

松田は缶ビールをふり、もう少し残っていたビールを飲んだ。

「いや、まぁ、そういう訳でもないのですが」
松田は明確な回答を避けるように、アールグレイをストローでかき混ぜるともう一口喉に流し込んだ。