感動できるおもしろい物語で、アドラー心理学をわかりやすくしてくれた本です。
アドラー心理学といえば「嫌われる勇気」が有名ですが、この本もおすすめです。
私は「嫌われる勇気」より読みやすかったので、この本の方が好きです。
主人公は大手広告会社に勤める松田勇二。
松田は人事部の柿本から呼び出され、毎週土曜日に自己成長トレーニングを受けるようにと言われる。
その時、柿本から受け取った手帳にはトレーニングの内容が書かれていたが、それを見た松田は首を傾げた。
その手帳には「自分を変える7つのステップ」とありページをめくると以下のことが書いてあった。
第1のステップ
自己成長の鍵は共同体との良好な関係にある
第2のステップ
人が持つ劣等感、それは飛躍の原動力である
第3のステップ
キミは私的論理の虜になっていないだろうか
第4のステップ
人生の正しい目標とは共同体への貢献である
第5のステップ
より多く得る人からより多く与える人になれ
第6のステップ
誠意ある態度とは相手を思いやることである
第7のステップ
パートナーには献身で接することがすべてだ
これが自己成長と関係があるのだろうか。
松田は土曜日がこのトレーニングで無駄になるのかとため息をついた。
土曜日からカラー・コーチング・システムというところでカラ爺という人からトレーニングを受ける。
7つのステップのうち第4までは内面に目を向けて、内面から変わっていくのが目標です。新たな内面、厳密に言うと新たなライフスタイルを獲得できるようになります。
残りの3つのステップは新たに獲得したライフスタイルで社会との新たな関係を築いていくことを目標にします。
第1のステップ
常に頬に微笑みを張り付けることを意識しておく。家族、職場、友人など周囲の人はみんな見方で仲間だと思って生活する。
松田は毎日、微笑みを意識し周りは仲間と思って過ごす。徐々に変化があらわれてくる。
第2のステップ
劣等感は飛躍の原動力になる。
人間が共同体や言葉をつくったのは、一人で生きていけない劣等感から生まれたもの。自分の持つ劣等感を知ることで、それは飛躍の原動力へと変わる。
劣等感はマイナスに働く場合もあるがプラスに働かせればエネルギーになる。
マイナスに働く場合を劣等コンプレックス、優越コンプレックスという。
第3のステップ
私的論理の虜とは
自分の利益、私的な利益だけを目的にすること。
第4のステップ
共同体の貢献とは、私的論理の虜にならないで、社会への貢献を目標にすること。
第5のステップ
より多く得る人からより多く与えるようになれ
言葉の通り、
共同体への貢献と同じような意味があるでしょうか
第6のステップ
誠意ある態度とは相手を思いやることである
第7のステップ
パートナーには献身で接することがすべてだ
その間に松田のまわりで起こる仕事や家庭などで起こるトラブルを解決しながら、アドラー心理学を身に付けていく物語。
トラブルの内容も誰にでも経験のありそうなことで、きっとアドラー心理学の良さがわかると思います。