\u003Cscript async src=\"https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-2307116921594807\" crossorigin=\"anonymous\">\u003C/script>

人生も後半戦

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

おすすめ小説 県庁おもてなし課 有川浩

おすすめ理由が、多すぎる!
さすが、有川浩さんです。面白くて、ためになって、感動しました。

最初の『ことのはじまり』の『パンダ誘致論』からストーリーに引き込まれ、あっという間に読んでしまいました。間違いなく、もう一度読みたい本です。

主人公のおもてなし課、掛水史貴が観光特使に依頼したのは高知県出身の作家吉門喬介。この吉門のおもてなし課へのダメ出しが、たまらなく良かった。
他人まかせな、とりあえずやっておく的な、時間や経費感覚のない、いかにも、お役所的なおもてなし課に対しての吉門のダメ出しからストーリーが動き出す。

私の勤める会社でもおもてなし課のようなお役所的なところがあるので、自分の会社を思い浮かべながら夢中で読みました。自分の職場もこんな感じだと、吉門のダメだしに私も考えさせられました。
読んでいるうちに、自分の仕事へのモチベーションがあがっていくのがわかりました。自己啓発の本としても素晴らしい内容です。
掛水史貴が、もたつきながらもページが進むにつれて成長していく姿に感動します。少し不器用で正直者の掛水にひかれます。
そして、その他の登場人物たち、手厳しい吉門喬介、魅力的な女性明神多紀、怖い女性清遠佐和、頼りになる清遠和政、最初は頼りなかったおもてなし課の面々、それらの登場人物と掛水のやりとりに、笑い、苛つき、感動し涙しそうになります。色恋ネタもちょくちょくと顔を出して、そこでも掛水の不器用さが発揮され、なかなか進まない恋仲にじれったくなります。

『ことのはじまり』の書き出し
 二十数年前ーーの話である。
 太平洋に面した長大な海岸線を有し、かつその海岸線に沿う形で広大な山野林を持つその県で。
 一言でまとめてしまえば大らかな自然以外、これといったものは何もないその県ーー高知県、高知市にて。
 高知城の城山におまけのように設立されていた市立動物園の移転計画と、県立動物園の新設計画が持ち上がった当時の話である。
「パンダを誘致すべきだ!」
 そう力説した一人の職員がいた。

おもてなし課、発足ーーグダグダ。
高知県庁観光部に「おもてなし課」が発足した。観光客を文字通り「おもてなし」する心で県の観光を盛り立てようというコンセプトそのままに、親しみやすさを狙ってその課名はついた。
しかし、配属された職員は、よくも悪くも公務員であった。
掛水史貴が、県出身の有名人に『観光特使』になってもらいPRしてもらう案を出しすすめるが、『観光特使』を依頼した作家の吉門喬介から、ダメだしを喰らう。
掛水は、作家として活躍する吉門と県庁の中で働く人間との時間の感覚や民間感覚の差をひしひしと感じることになる。
吉門から二十数年前に高知県にパンダ誘致を唱えた男に接触してみればよいとアドバイスをもらう。

『パンダ誘致論者』、招聘ーーなるか?
掛水は、二十数年前に高知県にパンダ誘致を唱えた男、清遠和政が経営している民宿へと向かった。彼に教えを乞うためだが、自分を追い出した県庁の人間に会ってくれるのだろうか。
清遠和政や吉門喬介といった個性的な人物に振り回される真面目で気の小さい掛水の人柄のよさが話を盛り上げる。

その後、おもてなし課はどうなっていくのか、きっと時間を忘れて、あっという間に読み終わってしまうでしょう。