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人生も後半戦

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

2019年上半期もう一度読みたい小説のまとめ

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今年2019年も半分が過ぎてしまいました。
私が今年2019年に入ってから読んだ小説を一気に紹介します。
今年から本格的に読書が趣味になった気がします。
「父からの手紙」と出会い小杉健治作品に、そして「夏美のホタル」と出会い森沢明夫作品に、はまりました。
そのため、少し小杉健治作品と森沢明夫作品に偏っていますがご容赦ください。ただこのお二方の作品は面白いのは間違いないです。
四月頃から、薬丸岳作品、有川浩作品、塩田武士作品に興味を持ちはじめたというところです。
薬丸岳さんの「友罪」は神戸児童連続殺傷事件がモデルになっていたので興味を持ちました。
塩田武士さんの「罪の声」はグリコ森永事件を題材にした作品でドキュメンタリーのような感覚で読みました。
有川浩さんの「阪急電車」は心あたたまる作品でした。
あと、田中経一さん。昨年読んだ「ラストレシピ」が大好きでファンになりました。

順位はつけたくないのですが、とりあえずもう一度読みたいと思った順番に紹介します。


ミーコの宝箱 森沢明夫
森沢明夫作品の中で、私は「あなたへ」や「夏美のホタル」より、この「ミーコの宝箱」がお気に入りです。
主人公ミーコの職業がSMの女王という始まりに少し引いてしまったのですが、ミーコの幼少からの人生を
、幼少、小学生、中学生、成人してから、出会う人たち、それぞれ闇を持って生きていますが、ミーコの存在は彼ら彼女らに希望を与えています。


父からの手紙 小杉健治
小杉健治にはまるきっかけになった一冊です。
書き出しは、失踪した父親、阿久津伸吉の手紙から始まります。手紙には娘の麻美子への愛情と失踪した詫びが綴られています。
なぜ、失踪して手紙を送り続けるのか?
不況でお金が無く苦しくても子供には辛い思いをさせたくないと思う父親の愛情。子を思う父親の気持ちが、同じ世代として涙が出るほど伝わってきました。
最後は、阿久津伸吉が手紙を送り続けた本当の理由に感動します。
しかし、本当の愛はそうではなかったかもしれません。
親の愛を感じる素晴らしい作品です。


歪んだ蝸牛 田中経一
昨年に田中経一さんの「ラストレシピ」を読んで田中経一さんのファンになりました。
「歪んだ蝸牛」はテレビ制作の話です。現場で起こる不思議なトラブル、業界の権力争い。その渦中で主人公五味剛は真実を見つけ出す。ドンドン引き込まれ最期に感動すること間違いなし。「歪んだ蝸牛」の意味もわかります。



13階段 高野和明



絆 小杉健治
小杉健治作品は裁判シーンが多いですが、特にこの作品の裁判シーンは好きです。少し破天荒な原島弁護士の尋問シーンがこの作品の魅力です。
夫の殺害を認めている被告人弓丘奈緒子。しかし、原島弁護士は無罪を主張する。
読みやすい作品で、テレビのサスペンスドラマを見ているように読み進んでいきます。



父と子の旅路 小杉健治
一家殺害の事件が起こった。助かったのは、生後半年の息子祐介だけだった。逮捕されたのは柳瀬光三。
26年後、柳瀬の前に再審請求で現れた弁護士は事件で助かった当時生後半年の祐介だった。
事件を調べていくうちに真実が明らかになり感動の結末です。



キッチンコロシアム 田中経一
これはフィクションですが、昔人気のテレビ番組「料理の鉄人」をモデルにして、そこから広がるストーリーです。登場人物も当時の鉄人や筆者自身がモデルになっています。
「料理の鉄人」を知っている世代は特に面白い作品です。

料理の異種格闘技番組「竃(かまど)の鉄人」は富士テレビの人気バラエティ番組だ。
番組の主役は、もちろん和の鉄人、道場六三朗。
その道場に闘いを挑むのは、フランスの名門レストランで腕を磨いた注目の若き女性シェフ、河田千春。
実は15年前に道場と河田にはある因縁があった。この因縁が物語を面白くしている。
千春が番組オファーを受けた理由には、自分の店の宣伝以外にある思い(秘密)があった。
その思い(秘密)が道場との因縁に関係してます。
それがどのように展開するのか、それ以外にも盛り上がる箇所がたくさんあります。
ひとつのテレビ番組を作り上げるテレビ関係者の努力と苦労。
料理にこだわる料理人の志、料理に対する考え方の違い、等々。
そして家族への思い、絆まで。
番組を製作していくうちに徐々に明かされていく過去。
何度も心打たれる場面があるはずです。
そして最後にわかる衝撃の真実。感動すること間違いない作品です。



ヒカルの卵 森沢明夫
限界集落と言われるほど田舎の村で、養鶏家の村田二郎は、自分の養鶏場のたまごを使った、たまごかけご飯の専門店を村にオープンさせる。
もっとたくさんの人にたまごの美味しさをわかってほしい。そんな思いから、この計画を決意した。そして、それをきっかけに村に人が集まり、活気が戻ってほしいと願う。
村田二郎は人懐っこく優しい性格で、いつも村のことや村人のことを考えている。
周囲の人は、二郎の気持ちを理解出来ないで反対する者、冷めた発言をする者もいるが、幸せを呼ぶ性格の村田にみんなが巻き込まれていく。
村田二郎の性格にほっこりとし優しい気持ちになれる作品です。


阪急電車 有川浩
有川浩さんの作品も映画化、ドラマ化された気になる作品が多いですが、宮本信子さん、芦田愛菜さんが出演で映画化された阪急電車を読んでみました。

阪急電車今津線の各停車駅で起こる小さな物語です。初々しい男女の出会いや結婚にやぶれた女性の討ち入り、DVに苦しむ女性の話など。各駅のストーリーが短編でありながら、少しずつ重なり、私に小さな感動を与えながら宝塚駅から西宮北口駅へと向かっていきます。
そして折り返し
西宮北口から宝塚へ。前半から半年。みんなの心や生活に変化が起こっています。私の小さな感動が大きくなりながら阪急電車は西宮北口駅から宝塚駅へと向かっていきます。


あなたへ 森沢明夫
森沢明夫のファンになってから、この本をいつか読みたいと思っていた一冊です。
高倉健さん主演で映画化されたと知って、絶対に面白いはずだと思ってました。期待通りの作品でした。
高倉健さんの他に田中裕子さん、ビートたけしさん、佐藤浩市さん、草彅剛さんなどがキャスティングされていて映画も面白そうです。いつか映画もみてみたいと思っています。

富山の刑務所で作業技官として働く倉島英二は妻、洋子を癌で亡くす。
ある日、職場に笹岡峰子という女性が訪ねてきた。
彼女は、洋子から遺言として二通の封筒をあずかっているという。
洋子からの依頼内容は、一通は直接英二に渡し、もう一通は長崎県平戸市の郵便局に局留め郵便として送ってほしいいうことだった。
受け取った一通には長崎の海に散骨してほしいと書いてあった。
英二は封筒を受け取るのと散骨をするために長崎へと向かう。
道中で出会う個性的な人達とのエピソードが物語を盛り上げてくれる。あっと驚かされることもあり、最後は感動の結末です。


罪の声 塩田武士
昭和の未解決事件、グリコ森永事件をモデルにした物語です。ドキュメンタリーのような迫力があり、フィクションなのか、ノンフィクションなのかわからなくなる感覚でした。
グリコ森永事件をリアルに知る世代にとっては、特に面白いと思います。
映画化されるらしいですが、映画もきっと迫力ある作品になるでしょう。
主演が小栗旬、星野源。
読みながら二人の顔が出てきましたがキャストもばっちりな気がしました。

テーラーを営む曽根俊也は、父の遺品からノートとカセットテープを見つける。ノートは英語で書かれ内容がわからなかったが、カセットテープには子供の声が入っていた。内容は「ギン萬事件」の犯人グループが子供を使って身代金の受け渡しを指示するという恐ろしいものだった。俊也はなぜ、こんなものがあるのかと驚いたが、それ以上に驚いたのは、その声が自分の幼い頃の声だったことだ。
「ギン萬事件」は関西中心に起こったキツネ目の男の犯人グループが大手食品メーカー社長誘拐や恐喝をする一連の事件だ。
父がこの事件に関わっているのか、カセットテープに残る自分の声が犯罪に使われたのか、俊也は、それを調べることにした。
阿久津英士は大日新聞の記者。未解決事件の特集で「ギン萬事件」を担当する。そのために事件について調べ始める。最初の頃は取材は空振りが続き前に進まなかったが、ひとつのネタから繋がって、当時の写真や音声を手にいれる。
そして、曽根俊也と阿久津英士が繋がった時、展開は大きく動き出す。


友罪 薬丸岳
はじめて薬丸岳さんの作品を読みました。
いろいろ、考えさせられる素晴らしい作品でした。
生田斗真さんと瑛太さん主演で映画化されていると知って、キャストも合ってると思い映画も観たくなりました。
実際にあった神戸児童殺傷事件を彷彿させる重たい内容ではありました。
過去に凶悪犯罪を犯した少年が成人になり、普通に生活をしている。もしかして、自分の周りにいるかもしれない。
知り合いが、そうだとわかった時、どんな態度をとってしまうのか?
重たいので少ししんどくなりました。


クライマーズ・ハイ 横山秀夫
1985年御巣鷹山で日航機が墜落した。
群馬県の地方紙、北関東新聞の記者、悠木は同僚で元クライマー安西に誘われ谷川岳の衝立山に挑むはずだったが、悠木は未曾有の事故の全権デスクを命じられ谷川岳に行けなくなった。
ストーリーはそこからはじまり、悠木は緊迫したなか全権デスクとして未曾有の事故を伝えようとする。そんな中、登山の約束をしていた安西が意識不明で倒れていたと知る。
読みながら自分自身が新聞社の緊迫した喧騒のなかに吸い込まれてしまいました。未曾有の事故を伝えようとする記者魂、組織の葛藤、友人が意識不明になった原因、いろんなものが頭の中で渦巻き、読み終わると、良い意味で疲れる作品です。そのくらいのリアルさが、横山秀夫さんの筆力のおかげで感じることができます。
 映画化、ドラマ化される理由がわかります。


キッチン風見鶏 森沢明夫
キッチン風見鶏という小さなレストランでアルバイトする坂田翔平は漫画家を目指す二十四歳の若者。翔平にはキッチン風見鶏にいる幽霊が見える。

鳥居絵里はキッチン風見鶏のオーナーシェフ、三十二歳。
絵里の特技はプロファイリングでお店に来てくれるお客さんの心身の状態を知るために頻用している。そして、お客さんひとりひとりの現状にぴったりと合った料理を提供している。

手島洋一はキッチン風見鶏のお客さんだ。手島は絵里に好意を持っている。息子がいるが、実の子ではなく、交通事故で亡くなった妹の息子を親代わりになって育てている。

宮久保寿々、二十四歳、「港の占い館」で働く占い師だ。彼女は守護霊と話しが出来るので、占いは当たる。趣味は食べ歩きで、ある時、キッチン風見鶏をネットで見つけ予約の電話を入れる。電話に出た男性の声を聞いてドギマギしてしまう。そして、妙な胸騒ぎを感じる。

これらのキッチン風見鶏に関わる登場人物中心に物語が進んでいきます。愛あり、癒しあり、感動ありの森沢明夫さんらしい作品です。


黙秘 小杉健治
 内堀優一郎は、五年前に娘の優希をストーカーに殺害された。
 その犯人は中下要。中下は優希にストーカー行為を繰り返していた。優希をナイフで脅し、無理矢理、車に連れ込んだ。優希が車から逃げたので、カッとなり車で追いかけてひき殺された。
 しかし、中下は殺人罪では無罪になり、自動車運転過失致死傷罪が適用されただけで懲役三年の刑だった。ストーカー被害を訴えていた優希に対して警察の対応の怠慢を隠すため、検察も裁判でストーカー行為については問題にしなかったためだ。

 中下要は出所して二年後に殺害された。
 優希への復讐が動機として、内堀優一郎が殺人容疑で逮捕され、裁判員裁判がはじまった。
 しかし、動機は、単に中下に対しての復讐だけではないかもしれない。中下要を微罪にした裁判所、控訴しなかった地検、そして保身を優先した警察などに対する復讐ではなかったかとも考えられた。
 犯行を否認しながら、黙秘続ける内堀優一郎の真意は何か? 裁判の行方は? 
 小杉健治さんの作品の裁判シーンは臨場感があって引き込まれてます。


たまちゃんのおつかい 森沢明夫
たまちゃんは大学を中退しておつかい便をはじめる。
そこで町の人に感謝され愛される。たまちゃんも町の人に感謝した。
たまちゃんの母親はたまちゃんが子供の頃、ダンプにはねられて亡くなっていた。父親はシャーリーンというフィリピン人と再婚していたが、たまちゃんはシャーリーンとうまくいかないでストレスを感じていた。
そんな義母と娘の関係や家族と買い物弱者をテーマにした作品です。
感謝やおもいやりといった生きるために大切なことを、それと家族への愛情をじっくり考えさせてくれる作品です。


最期 小杉健治
ホームレス岩田貞夫は荒川でホームレス仲間の男を撲殺したとして逮捕されたが、無罪を主張する。
弁護にあたる鶴見京介弁護士は岩田の無実を信じ裁判に臨む。
この裁判の裁判員に選ばれた貝原茂樹は、被告人が四十五年前、四日市の公害訴訟で祖父らと戦ってくれた、当時のヒーロー船尾哲三という男に似ていることが気になっていた。
裁判から真実がわかってくる、そして感動の結末。これぞ、小杉健治作品。鶴見京介弁護士シリーズも面白い作品ばかりです。


疑惑 小杉健治
被告人は保窪耕平52歳
保険金詐欺目的で妻を殺した容疑がかかっていた。
保窪は、前妻の死亡時にも保険金を受け取り、疑われた過去があった。その時ワイドショーなどで大きく取り上げられていた。
弁護士の鶴見は、過去の事件の先入観を裁判員たちが持ってしまうことを恐れた。
裁判がすすむにつれ、鶴見は保窪が何かを隠していると感じた。
一方、裁判員になった鳴沢だが、熊本に住む友人に会いに行き水前寺公園などを案内してもらった。その時幼少の頃に、ここ熊本に来た記憶がぼんやりとよみがえってきた。
鳴沢は、その時に父親が一緒だったかもしれない、それを調べようと思った。
母親は未婚で鳴沢を産んでいたので、鳴沢は父親を知らない。
母親も鳴沢が幼少のころに亡くなっていた。
祖父母も父親については口を閉ざした。

父親には別に妻子があり母親とは不倫関係だったのではないか、そんなふうにも疑った。
鳴沢は父親について調べはじめた時に保窪耕平の裁判の裁判員となったのだ。
鳴沢は裁判所で被告人の保窪と目を合わせた時、被告人の自分の顔を見て驚いた様子が気になった。


家族 小杉健治
認知症の牧田文子が殺害される。ワイドショーは息子の牧田孝一郎が犯人のような報道を繰り返すが、ホームレスの三田尻作雄が逮捕された。
この事件の裁判の裁判員に選ばれた谷口みな子は、三田尻作雄がなにかを隠していると感じる。
そして、谷口みな子は三田尻作雄の秘密に気づく。裁判員裁判のあり方、老老介護問題、ホームレスから抜け出せない不況、そうしたことを考えさせられる、小杉健治さんらしい読みやすい作品です。


声なき叫び 小杉健治
自転車で蛇行運転をしていた青年、高尾翔太が警察官に取り押さえられ、その後死亡した。
取り押さえる際に警察官が暴行を加えていたという複数の目撃証言があるにもかかわらず、警察は正当性を主張する。暴行は加えていない、翔太が暴れたので取り押さえただけだという。
翔太の父、宏は納得がいかない。翔太は障がい者で優しい性格なので暴れるような乱暴な性格でないという。
新聞記者の八田が宏に警察の嘘を一緒に暴こうと水木弁護士を紹介する。
水木弁護士は冤罪や警察、検察の隠蔽体質に立ち向かう素晴らしい弁護士だと八田はいう。
宏は八田と共に戦うことになるが、思いがけないトラブルも続出する。
隠蔽しようとする警察に立ち向かう水木弁護士たちの戦う姿勢に感動します。
小杉健治さんらしい子供を持つ親の愛情を感じる作品です。正義感の強い人におすすめのです。


逆流 田中経一
勅使河原竜太は小さな芸能事務所社長で、所属するタレント弓月苺が誘拐された。弓月苺は強運の持ち主で、何もかもがうまくいきすぎて、CMや映画の出演を決めていった。
勅使河原は三ヶ月ほど前から、記憶から過去の出来事がぽろぽろと抜け落ちるようになった。いま頼りになるのは一日中書き込んだメモ紙と日記だ。
弓月苺が誘拐されてから、日記をよみかえし、記憶が抜けているところを繋ぎ合わせていくと、あることが見えてきた。
弓月苺の秘密や誘拐された理由などが明らかになっていく。


残り火 小杉健治
連続通り魔殺人の容疑者として相浦純也が逮捕された。
立花孝久は年老いた母親が道で転んだ時、周りの誰もが助けてくれなかった時に相浦純也が母親を助けてくれ自宅まで連れてきてくれた。母親も純也に感謝していた。
そんな優しい純也が犯人のはずがない。立花は無罪を確信し、母親を助けてもらったお礼に水木弁護士に弁護を依頼する。


保身 小杉健治
マンションの殺人事件の容疑者として逮捕された金谷は、逃走するときに、県警幹部の蓮見が轢き逃げするのを目撃したという。金谷は取引をもちかける。蓮見の轢き逃げのことは口にしない代わりに殺人事件を見逃せということだ。
県警は幹部を庇うため、金谷の殺人事件の捜査をねじ曲げることにする。それを知った殺人事件の担当刑事だった宮下は苦悩する。このまま保身のために、殺人犯を見逃すのか。県警組織に逆らうことが出来ない。そんな時、退職した藤浦と新聞記者羽村真琴が、真実を暴くために動きだす。


津軽百年食堂 森沢明夫
この「津軽百年食堂」は津軽で百年続く、津軽蕎麦の店「大森食堂」の家族の話です。
百年前、大森賢治が蕎麦屋をはじめる頃の話から現在の四代目大森陽一の話、陽一の彼女筒井七海の話などが順番に出てきます。
その度に視点が変わり、面白く読みやすかったです。
メインは陽一と七海の恋愛話で、二人の出会い、そして仕事などの日常が丁寧に描写されています。
登場人物がみんな優しく、心温まるシーンが多く、癒されます。


刑事のまなざし 薬丸岳
十年前に練馬区内で連続通り魔事件が発生した。夏目の娘の絵美はその通り魔事件の被害者のひとりだ。頭をハンマーで殴られ植物状態になってしまった。
犯人は捕まらないまま同様の事件が起きてしまい、被害者の女の子が亡くなった。
これがきっかけで、夏目は法務技官の仕事から警察官になる選択をした。
警察官になった夏目が事件を夏目らしく解決していく一話完結の短編ストーリー。
最期のストーリーで夏目の娘を襲った犯人がわかる。


女神のタクト 塩田武士
矢吹明菜は旅に出る。旅の途中、神戸で出会った変な老人から、ある依頼を受ける。
京都まで行って、やっかいな男を神戸に連れて来てくれたら成功報酬をやるという。
明菜は警戒しながらも、頭の中は成功報酬という言葉に満たされていた。
やっかいな男とはマエストロの一宮拓斗で、老人からの依頼は、一宮拓斗を神戸の小さな楽団に連れていくことだった。
明菜は拓斗を神戸の楽団に連れて行って依頼は終了だったわけだが、どういうわけか、その楽団の手伝いをすることになる。


失踪 小杉健治
鶴見弁護士の中学の恩師夏川陽一郎が札幌から上京し鶴見と久しぶりに会った。夏川は教育熱心で生徒に慕われていた。鶴見も夏川を尊敬し慕っていた。
夏川はこのあと神戸に行って旧友の吉森と会い、それから竹田城へ向かう予定だという。
数日後、夏川は神戸から竹田城に向かった後、忽然と姿を消した。
なぜ夏川は姿を消したのか、事件、事故に巻き込まれたのか、それとも自分の意志で姿を消したのか、自分の意志で姿を消したのなら、理由は何か、鶴見は調査をはじめた。
徐々に鶴見の知らない夏川の素顔が見えてくる。そして鶴見の知らない過去の夏川が見えてくる。