小説を読んでる時に見つけた慇懃(いんぎん)とは?
小説を読んでいると難しい言葉や漢字に出くわします。
これまでは、わからなくても何となくそのまま流していたのですが、調べてみると、その小説の場面を深く理解出来て、よりおもしろくなりますし、私がひとつ賢くなれます。
今回は有川浩さんの「阪急電車」に出てきた慇懃(いんぎん)です。
これまで見たことも聞いたこともなかった無知な私です。
翔子が元カレの結婚式に招かれざる客として出席したが、異様な雰囲気になり途中退席するシーンに出てきます
ここが潮時だろう。翔子は静かに席を立った。
「途中で申し訳ありませんが、私は帰らせて頂きますので案内お願いします」
詳しい事情は一切訊かず、即座に出口へ案内したこのホテルの会場係はレベルが高い。
暗幕に紛れて外へ出た翔子に引き出物の袋が差し出された。断ろうとしたが、会場係は慇懃(いんぎん)に頭を下げた。
「お渡しし損ねたとお叱りを受けるのは私どもですので、何とぞこらえてお受け取りください」
森沢明夫さんの「大事なことほど小声でささやく」にも出てきました。
主人公のケラちゃんこと本田がゴンママの店に飲みに誘われて、そこでビールをもらう
「ケラさん、次もジョッキでいいですか?」と笑顔で小首をかしげた。慇懃(いんぎん)すぎず、かといって砕けすぎず、とても好感の持てる接客をする娘(こ)だ。
意味は
真心がこもっていて、礼儀正しいこと。また、そのさま。ねんごろ。「慇懃なあいさつ」非常に親しく交わること。「慇懃を重ねる」